【5】調剤レセプトのデータ構造
調剤レセプト(調剤診療報酬明細書)をデータベース化することがあったため、そのデータ構造を調査しました。
今回はこのデータ構造をご紹介しましょう。
調剤レセプトとは?
私達が薬屋さん(薬局)にお医者さんから渡された処方せんを持っていき、お薬(医薬品)を調剤してもらうと、その費用(診療報酬)は、一部は窓口で私達が支払い残金は加入している健康保険組合などに請求されます。この時、薬局が作る請求書が調剤診療報酬明細書(調剤レセプト)といわれるものです。
最近はコンピューター化が進んだため、これを紙媒体で提出するのではなく、特定の書式に従ったテキストファイル(※)として作成・提出する様になってきました。
※このファイルを、レセプト電子ファイル(レセ電ファイル)といいます。
調剤レセプトの処理は?
作成した調剤レセプトは、毎月、社会保険(又は生活保護)では診療報酬支払基金へ提出されます。
診療報酬支払基金では、各レセプトに採番をした(※1)後で内容の審査を行い、問題が無ければ薬局への支払を行います。
審査後の調剤レセプトのレセ電ファイルは、診療報酬支払基金で一部加工した(※2)後、毎月該当する医療費の負担先(健康保険組合や生活保護の福祉事務所など)へ送られます。
医療費の負担先では調剤レセプトの内容のチェックを行い、疑義があれば診療報酬支払基金に再審査を行う様に請求します。
※1:この番号を“検索番号”といいます。
※2:データ修正と印刷書式での画像作成(紙媒体で作成されたものと同様のもの)
医療費の負担先に渡るレセ電ファイルは?
健康保険組合や福祉事務所に渡されるレセ電ファイルは“CSVファイル(※1)”で、すべてのレセプト情報が 一つのファイルに記録されています。
さらに、一つのレセプトに関する各種のデータ値は種々のレイアウトのレコード(行)として記録され、それぞれのレコードのレイアウト種類は各レコードにある“レコード識別(※2)”という欄の値で識別出来る様になっています。
※1:各項目値がカンマ(,)で区切られたテキストファイルです。
※2:例えば、レセプトの基本情報(receipt)は“RE”というレコード識別値で、調剤された医薬品情報 (iyakuhin)は“IY”というレコード識別値で識別されます。
調剤レセプト電子ファイルのデータ構造
調剤レセプトのレセ電ファイルのデータ構造は次の図の様になります。