【11】コース受講を始める前に

2020-12-02

 この単元は、初めてコースの受講をされる方向けに各コースの概略を説明するものです。コースを受講される前にお読みいただき、そのコースの位置づけをご理解いただいた上で受講されると、内容の理解がより一層進むと考えています。

考え方

 株式会社データ中心設計の提供する通信教育はいくつかのコースに分かれてはいますが、これらはすべて「Microsoft Accessなどを使った業務システム・ツールを業務担当者ご自身が作成・改良していく」という“あくせく!アクセス流”、略して“あくアク流”の目指す方向に沿ったものとなっています。
 このため、コースの体系も入門レベルから始め、段階的に習得できる様に考えられています。
 ただ、その到達点は“業務の担当者レベル”を想定しており、プログラミング技術者レベルとは違うことを念頭に置いておいてください。

コースの体系

 各コースは、次の様に体系的に分類されています。

区分内容
[1]
事前
以降のコース受講前に知っておいていただきたい知識を説明しています。
[2]
拙著
あくアク流の入門として拙著を転載したものです。
教育テキストではなく読み物となっていますので、気軽にお読みいただけます。
まずは雰囲気をつかみましょう。
[3]
初級
あくアク流の初級レベルとして「Accessを使った基本的な業務システムツール」を作ります。
[9]
その他
あくアク流の特徴の一つである“共通関数”など、こまごまとした種々のノウハウを説明しています。

コース番号

 以降のコース一覧に表示される各コースの先頭にある二桁の番号を“コース番号”と呼んでいます。コース番号の頭一桁目がコース区分を表わしています。

コース区分2:拙著

 コース区分が2のものは、拙著を転載したものです。
 拙著は「あくアク流の背景にある種々の“思想(思い)”を、雰囲気だけでもつかんで頂こう」と執筆したものですが、いかんせん、現時点ではなかなか多くの方に読んでいただくことができません。
 そこで、コース受講者の方にはその内容を“教育コースの一環”として提供することとしました。拙著、すべて「中堅会社X社を舞台とした物語」として描かれていますので、気楽に読んで頂ければと思います。

コース番号21:書籍「どこでもDOA」

 あくアク流の特徴の一つである「データベース中心の業務システムツール」は、元々本格的なシステム開発の世界で古くから使われている“DOA(ディー・オー・エー)”という考え方の影響を受けています。
 このDOAをさらに発展・進化させたものが“概念DOA”という考え方で、このレベルでは「システム担当者側だけでなく、業務担当者側も知っておくべきもの」となっています。そこで、あくアク流の背景でもある“概念DOA”について業務担当者の方に雰囲気だけでもつかんでいただこうと、拙著「どこでもDOA~正しいシステムから誤った情報が出てくる?~」を執筆しました。
 ただ、ここに書かれていることすべてをすぐに習得する必要はありません。「コンピューター・システムを考えるのにも、まず業務のことを考えていかなければならない」という、なんとなく「そうでもあり、そうでもなし」といった感のある言葉を実際の例を示しながら説明していますので、コース受講者の方がある程度“共感”していただければと思います。

コース番号22~23:書籍「あくせく!アクセス」

 あくアク流が基本的な開発ツールとして位置付けているのが、Microsoft Accessです。拙著「あくせく!アクセス~自分で作る業務システム・ツール~」は、Accessを使った「あくアク流の業務システム・ツールの作り方」を物語の中で“疑似体験”して頂こうとの思いから執筆されました。
 ただ、いざ書き出してみると(前述の通り)あくアク流の背景には「概念DOA」があるため、この点に関してもある程度“疑似体験”して頂く必要がでてきました。
 結局、「前半はまったくAccessに触らない」というAccess関係の書籍では珍しいものとなってしまいました。ページ数も前著より増えたため書籍としては前編・後編の二冊となってしまい、合わせてコースも前編(22)と後編(23)に分かれています。
 実際にAccessに触って頂くのはコース区分3(初級)からとして、ここでは読み物として“疑似体験”していただければと思います。

コース区分3:初級

 コース区分が3のものは、あくアク流の初級レベルに必要な知識を説明したものです。
 あくアク流の最も基本的な開発ツールはAccessですので、まずは「Accessのみを使った業務システム・ツール」を作れるようになりましょう。
 レベルとしては初級レベルですが、このコース区分習得後は基本的な業務画面レベルであればご自分で作れるはずです。(なお、拙著「あくせく!アクセス」の内容もこのレベルのものです。ただ、本コースでは拙著前半の“概念DOA的な議論”は割愛されています)
 なお、このコース区分(に含まれるコース)としては、あくアク流が特定のツールに固執したものではありませんので使う開発ツールはAccessのみにこだわりません。(将来的には、他の開発ツールを使った初級コースも登録される予定です)

コース番号31:あくアク流Access初級編(1)

 Accessについてあくアク流が必要とする基本的な知識を説明します。
 その後、最も基本的な業務システム画面を作りながら、さまざまな「あくアク流の“お作法”」を覚えていただきます。
また、ログイン画面、メニュー画面など、あくアク流の共通機能が構成する環境についても覚えていただき、ご自分の作られた業務システムをこの環境に登録することもできるようにします。

コース番号32:あくアク流Access初級編(2)

 このコースでは、初級編(1)の内容を踏まえて、クエリ、フォーム、そして、マクロに関する、あくアク流の基本的な”お作法”を説明しています。
 例として“部署一覧”“部署別社員一覧”“社員日別作業一覧”という三種類の画面を作り、これらを「メニュー画面 ~ 部署一覧画面 ~ 部署別社員一覧画面 ~ 社員日別作業一覧画面」と画面が展開するようにつなげていきます。

コース区分9:その他

 コース区分が9のものは、あくアク流の特徴の一つである“共通関数”など細々とした種々のノウハウを説明しています。
 このため、この区分に含まれるコースは、他の区分のものと違い「コースのテキスト全体が一つの流れを持つ」ことがありませんし、テキストも小さなノウハウが発見された時点で随時追加されることになります。

コース番号91:あくアク流共通関数Access編

 あくアク流は原則として”VBA(Visual Basic for Applications)”というプログラミング言語を使いません。これは、あくアク流が対象とするのが“業務担当者”であり“(プログラマーなどの)システム担当者”ではないからです。
 とはいえ、「VBAを使わないと不便」と思われる機能も実際に在ります。
 そこで、あくアク流では、この「どうしてもVBAが必要な機能」を業務担当者が比較的“馴染み(なじみ)”のある「関数(※)」として提供する方針を採ることにしました。さらに、これを「各担当者が個別に作成する」のを防ぐため“(業務担当者間で)共通する関数”として位置付けています。
 このコースでは、この“共通関数”の考え方から、設置に関する注意、その後、あくアク流として提供する各種の共通関数についての説明を行っています。

 ※Excelの“SUM関数”などが代表的で、ご存じの方も多いと思われます。(SUM関数は、Microsoft社の提供する関数ですが)

コース番号92:あくアク流Tips

 Tipという英単語は、本来“助言”や“コツ”といった意味を持っていますが、近年システム関係では、Tipsとして「(種々の)課題を解決するための方法や、より効率よく作業するための便利なテクニック」を指すようなったようです。
そこで、このコースではこうしたあくアク流の“ちょっとした知恵”をご紹介していきます。

コース番号93:サンプル説明

 株式会社データ中心設計では、あくアク流で作られた各種の業務システムツールを教育サンプルとして提供(※)しています。
 このコースでは、実際に教育サンプルを見られる際の助けとなるように個々の業務システム・ツールの概要を説明しています。

 ※現時点では、「会員の方からの申し込みを受けてディスクにて郵送する」方法を採っています。将来的には、株式会社データ中心設計のホームページからダウンロードできる様になる予定です。