【1】DOAとは

2019-06-05

 DOAという言葉は“Data Oriented Approch”という和製英語の略語で、(和製英語の和訳というのも変ですが)“データ中心アプローチ”とか“データ中心指向”と訳されています。
 これは、元々「コンピュータシステム設計に対する新たな方向付け」として提唱されました。
 この点、概念DOAの先達である椿正明先生のコラムがよくまとまっていますので、以下、これを引用させて頂きます。

■システム開発技術の変遷とDOAの歴史
 コンピュータは情報処理の自動化ツールである。
 そこでまずPOA(Process Oriented Approach)によるプログラム開発が始まった。
 特定ユーザの要件を属人的プログラム仕様書としてまとめ、プログラミングが行われた。
 手間のかかる計算が自動化され、インプットデータを与えるだけで正しいアウトプットが得られ業務が合理化された。おおよそ1960年代の話である。

 ファイルが使えるようになって、バケツリレー方式でプログラムを連携して一連の処理ができるように なったが、IPOと言って、プログラムを中心にインプット、アウトプットを考えていた。
 1970年代になって親子関係や、BOMのような複雑なデータ構造を扱える構造型DBMSが登場したが、プログラム中心の考え方はほとんど変わらなかった。

 1980年代になってRDBが登場して、データベースを中心にする考え方が登場した。
 ユーザの欲しいのは画面・帳票すなわち業務遂行のためのデータである。
 プログラムはこれを提供するための手段にすぎない。
 素材となるデータをストアするデータベースを中心にシステムを構築すべきだ。1985年に日経コンピュータ誌上に登場した堀内一先生(当時日立製作所)のDOAの主張である。
…(略)…

DOA+コンソーシアム「システム開発技術の変遷とDOAの歴史」 より引用(※)
※DOA+コンソーシアムのサイト(http://www.doaplus.com/html/whatsdoa_01.html)
の閉鎖に伴い、引用記事はこちらをご覧ください。